OpenAI「Computer History」、暗号化されない履歴データに情報漏えいリスク
「Computer History」のローカル保存にプライバシー上の懸念
OpenAIがChatGPTのmacOSアプリ向けに提供する「Computer History」について、ローカルに保存されるデータを巡るプライバシーやセキュリティ上の懸念が指摘されている。この機能は、ユーザーが許可したアプリやWebサイトでのクリック、入力、アプリの切り替えなどの操作を記録し、タイムラインとして整理することで、ChatGPTやCodexが過去の作業内容を参照できるようにする。機能はデフォルトでは無効になっており、ユーザーが任意で有効化する仕組みとなっている。
セキュリティ上の懸念として挙げられているのが、Computer Historyによって生成されるローカルのメモリファイルだ。これらのファイルには機密情報が含まれる可能性がある一方、Computer History自体による暗号化は行われず、同じmacOSユーザーとして動作する他のプログラムからアクセスされる可能性がある。このため、端末がマルウェアなどに侵害された場合、保存された活動情報が新たな情報収集の対象となるリスクが指摘されている。なお、Computer Historyはスクリーンショットや画面録画、音声を記録せず、プライベートブラウジングの活動も対象外としている。
業務環境では「Computer History」の利用に慎重な判断を
セキュリティ専門家は、機密情報を扱う業務用端末では「Computer History」を無効にすることを推奨している。業務環境では社内文書や認証情報など機密性の高いデータを扱う機会が多く、同機能を有効にした場合、端末上に保存される活動記録が新たな情報漏えいリスクとなる可能性がある。個人利用の場合も、記録される情報の範囲や保存方法を把握した上で、機能を有効にするか判断することが求められる。
今回指摘された問題は、ユーザーの作業履歴をAIが参照できる利便性の一方で、端末上に蓄積されるデータ自体の保護も考慮する必要があることを示している。特に業務環境では、Computer Historyの利用目的やアクセス可能なデータを確認し、組織のセキュリティポリシーや取り扱う情報の機密性に応じて設定を管理することが重要となる。

